新郎の父 1 ご挨拶

 都内の大病院から当院に電話がありました。当院所在地から10分ほどにお住いのガン末期70代男性Cさんの訪問診療依頼でした。聞けば数週間前から食事の摂取量が低下し、誤嚥性肺炎も併発した方でした。退院後の訪問診療を当院にご依頼いただきました。
 退院の日取りなども決まっていませんでしたが、まずはお話だけでも知りたいと思い奥様に電話をした後、ご挨拶のためにご自宅を訪問しました。
 奥様にお会いしてお話を聞いていると、奥様はCさんがまだ半年は御存命でいられると思っていることが分かりました。残念ながら病院から私が聞いていた内容からすれば、残りは1か月未満だと私は想像していたので、このギャップをどのように埋めていくかと思惑しつつ奥様のお話を聞いていました。
 お話を奥様から聞いていると、ビックリすることを教えて下さいました。それは4週間後に予定している息子さんの結婚式にCさんが参列するというものでした。

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