新郎の父 8 NIPPV

 翌日になっても呼吸苦は改善していませんでした。結婚式まで残すは5日間。何としてもそれまで生きのびてもらわねばなりませんでした。
 まずは喉頭をファイバースコープで観察しました。すると、喉頭蓋が浮腫んでおりました。ですから、力めば力むほど気道が閉塞していたと思われます。
 入院中から肺炎に対して酸素濃縮器による酸素投与は継続しておりましたが、前日からの血中酸素濃度の低下は、気道の閉塞があれば当然の話なわけです。
 まずNIPPVを思い立ちました。呼吸器会社さんに相談したところ、すぐにでも準備するとご返答を下さいました。これまで当院自前の酸素濃縮器をCさんにお貸しして使っていましたが、呼吸機会社さんからNIPPVのためにトリロジーをお借りすることにしたので、良い機会でしたから酸素濃縮器も流量の多いものに変更してもらいました。
 ありがたいことにNIPPVがCさんには非常に合っていたようで、眠っているときにはとても安定した呼吸状態となりました。
しかし目が覚めると本人が力んでしまうこともあり気道の閉塞は続いていました。

目次
閉じる