不当退去命令
Google検索サイトに当院の口コミをご記入いただき、ありがとうございます。
田中様からいただいたコメントに対して、当院のブログを通してお返事させていただきます。
以下が、オリジナルの口コミです。
父が入所していた所の訪問診療をお願いしてた先生です。父のいた施設は、今ネットでも問題になってる会社の施設で、後々知ったんですが、食事が少なかったり、お部屋だけで過ごす毎日の所でした。架空請求と思われる事もあり、色々調べていくと最終的に何も悪いことをしてない父は、退去を命じられました。そのあとも二転三転することばかりで、こんな施設がほんとにあるんだ。。と怒りを通り越して早く父を施設から出さないといけない!と思ったときに、力を貸してくれたのが先生でした。今どきこんな先生いるのか!?と最初は半信半疑だったんですが、先生は最後まで見捨てず、家族でもないのに全力で助けてくれました。父は今新しい施設に入所もきまり、安心してます!ほんとにありがとうございました!
口コミのご投稿ありがとうございます。
お父様について、これまでの経緯を簡潔に記します。
お父様は約3年間、住宅型有料老人ホームで生活されていました。初めてお会いしたときから非常にお元気で、そもそもこの施設の入居形態に適していないと強く感じたことを、今でもはっきりと覚えています。
私たちも当初、この施設の運用方針を十分に把握できておらず、介護保険を用いた外部のリハビリサービス導入を試みましたが、施設側に却下されました。お父様は長く腰の痛みを訴えておられ、リハビリの必要性について何度も施設にお伝えしましたが、受け入れていただけませんでした。失語症への介入も提案しましたが、これも拒否され、「そのようなサービスを希望するのであれば、退去していただくしかない」と通告されました。
それでもお父様は常に穏やかで、私のような無力な医師に対しても「ありがとう」「迷惑をかけて申し訳ない」と、繰り返し言葉をかけてくださいました。その姿に、胸を打たれない日はありませんでした。
2年ほど前、当院からご家族に退去についてご相談した際、ご家族からも「別の施設を探したい」とのお話がありました。私は本当に嬉しく思いましたが、ご家庭の事情により話は進みませんでした。その頃から私は、「もう自分にはどうすることもできないのかもしれない」と、諦めを感じるようになりました。
お会いするたび、自分の無力さを痛感していました。窓の外を見つめ続けるお父様。その窓には毎日のようにおでこの跡がついており、それを誰も拭かないままにしている光景が、日々の記録のようでした。
今年5月、ご家族から転居についてご相談をいただきました。私たちにとっても、待ち望んでいた展開でした。
しかし、そこからも困難は続きました。転居の準備が施設側に知られることで妨害が入る可能性があったため、行政職員にお部屋まで来ていただき、状況を直接確認してもらいました。あのような狭い空間での生活を目にしても、それが「虐待」として認識されない現実に対して、強い疑問と怒りを覚えました。
さらに、5月最終週。施設側は突然、ご家族に対し「5月31日までに退去するように」と一方的な通告を行いました。「主治医をあかねクリニックのままにするのであれば、5日以内に退去せよ」という内容でした。
思い当たる出来事として、前週、私が施設の本部職員と直接話したことがあります。
お父様の担当ケアマネージャーから「介護サービスのドタキャンが続いている」との報告があり、それについて話を聞きたく、事前に施設長へ訪問の許可を取っていました。ところが当日、現地にいたのは本部の職員で、話し合いの中で「サービス内容はケアマネージャーが決めることであり、施設の責任ではない」と説明されました。
この会話の直後に退去通告がなされたことからも、意図的な対応と考えざるを得ません。
そもそも契約書には、退去理由は「本人による危険行為」や「利用料の未払い」などに限定されており、さらに退去には3ヶ月の猶予期間が明記されています。今回の通告はいずれにも該当せず、契約違反であり、明らかな不当退去要求でした。
これらの事実を住所地の行政に伝えましたが、「所管外」として扱われ、「施設所在地の行政が対応すべき」との回答に終始しました。どの課が担当かを尋ねても「分からない」と返され、制度としての機能不全を強く感じました。
最終的には、ご家族と当院で話し合い、担当ケアマネージャーの尽力により、候補に挙がっていた別の施設に急遽ご入所いただく運びとなりました。
お父様は、環境に恵まれない中でも、常に穏やかに、感謝の言葉を忘れずに生活されていました。
この記録が、同じような状況で悩んでおられる方々の参考となり、改善の一助となることを願っています。