新郎の父 14 到着

待ちに待った結婚式当日になりました。 C さんの状態は安定していました。朝 、私たちが ご自宅に行くと、ご家族様がCさんを囲んでいました。寝たきりのうえ何本かの管が繋がっているCさんにタキシードをどうやって着させようかと悩んでいらっしゃいました。 こういう気遣いはとても大事だと思います。 念願の結婚式に行く以上、少しでも身なりを整えることをC さんは強く願ったと思います。ご本人が言葉にしなくても周囲の人間がそれを慮ってあげることは、とても大事なことだとおもいました。

 男性のご家族何人かと私たちで介護タクシーにストレッチャーを使ってCさんを車内に移動しました。物品も全て準備し、いざ式場に出発です。介護タクシーの後方からは、当院の事務長があかね訪問診療クリニックの診療車に乗って追走してくれました。大抵の物品は載せてあるので非常に心強かったです。

 現地に到着し、披露宴会場のすぐ隣の大きなお部屋へ式場職員様に誘導してもらい移動しました。呼吸器の確認をし、エイミーの稼働状態を確認しました。移動時に問題が発生しなかったのは非常に幸運でした。 ただ、式場の方や式のコンサルタントの方たちは、物々しい様子を見てだいぶ 驚いていたようです。事前にもう少しお伝えできればよかったのかと思いました。

 Cさんの控えているお部屋は大変快適でした。式場の方々がCさんのことを大変気にかけてくださり、空調や照明の調整をしてくださいました。また私たち医療者がご家族様と直接触れ合わないで良いように、ついたても準備してくださいました。そのような心配りが大変ありがたかったです。

私たちは知らなかったのですが新婦側のご家族様が 式場や披露宴会場とCさんのお部屋をZOOMでつないでくださり、お互いに声が聞こえる状態になっていました。

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